ところで八ヶ岳にある僕の山荘の近辺には、意外なほど園芸店が多い。
もともとは農家だったものが、余技として園芸店を始め、いつのまにかそっちが本業になってしまった感じのお店がほとんどなので、遠めにはただの農家に見える。
地元の人でない限りおそらく前を素通りしてしまうだろう。
ぼくが現物の美鼻花をみつけたのは、その園芸店のひとつであった。
透明なシャーレの中で育っている奇妙な花を目にした途端あることを思い出した
テレビで変わった鼻の人が出ていたのだ、出ていたと言っても出演していたのではなく、画面を一瞬横切っただけであったが記憶に残っていた。
正確には、鼻の穴から花が咲いていたというべきか。
ようするに鼻の穴から蔓状の茎がひょろんと飛び出していて、その先にパンジーのような花が咲いていたのである。
シャーレの横にプライスカードがあり、＜美鼻花（ビビンバナ）一組３０００円。鼻腔内部で栽培する珍しい植物です＞とある。
これに間違いないと思ったぼくはオーナーを呼び、買うことにした。
これで今年の忘年会はイケる！と思った瞬間だった。
家具を新たに買うときには、すぐに飽きが来るようなデザインではなく、長く愛用できるものを選ぶこと。表面を塗り替えたり布地を張り替えたりして、ずっと付き合っていけるような家具を探したい。